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中国、今度は三峡ダムの3倍の水力発電所作る…インドの水が干上がるのに

 中国が世界最大の水力発電所である三峡ダムより3倍大きい水力発電所建設に出ると香港紙の明報が29日に中国のエネルギー問題を専門的に扱う新聞である中国能源報の報道を引用して伝えた。



明報によると、26日に開かれた中国水力発電工程学会成立40周年記念大会で中国電力建設グループの晏志勇董事長は「党中央が第14次5カ年計画と2035年発電目標建議で明確に雅魯蔵布江力発電所開発を提出した」と話した。


「これは党中央文書に初めて記載されたものでとても明確に『実施』するとされている。水力発電所業界では歴史的な機会になるだろう」と明らかにした。雅魯蔵布江は中国・チベットに源を発しインドとバングラデシュを経てベンガル湾を通じて海につながる。



チベット人にとっては「ゆりかご」あるいは「母なる川」とされる雅魯蔵布江は、インドではブラマプトラ川と呼ばれ、全長2057キロメートルに流域面積は24万6000平方キロメートルに達する。水力エネルギー埋蔵量は中国で長江に次いで大きい。


中国の水力エネルギー資源埋蔵量は6億7600万キロワットと世界最大であり、このうちチベット内の埋蔵量は2億キロワットで約30%を占める。しかし開発水準はとても低く、現在は1%前後だけ開発された状態だ。



晏志勇董事長は雅魯蔵布江下流に水力発電所が作られれば毎年3000億キロワットのきれいで再生可能で無炭素である電力を供給し、三峡ダムの年間生産量988億キロワットの3倍を超えると話した。


発電所を建設する正確な場所と時期はまだ明らかにしていない。彼は雅魯蔵布江水力発電所建設が単純な巨大発電所を作るものではなく、5大プロジェクトに相当すると主張した。最初は生態プロジェクトで、水力発電所建設は中国が2060年まで炭素中立を実現しようとする目標達成に大きな役割をすると話した。



2番目は国家安全プロジェクトで、水資源の安全と国土の安全を同時に達成する効果があると明らかにした。3番目は民生プロジェクトで、発電所が稼動すればチベットに年間200億元の財政収入をもたらすと話した。


これはチベットの発展に天地開闢の効果をもたらすと主張した。4番目はエネルギープロジェクトで、年間3000億キロワットの電力を供給し、5番目は国際協力プロジェクトで、発電所建設が中国と南アジア国間の協力を緊密にさせると話した。



明報はしかしこうした中国の計画がインドの懸念を引き起こすだろうだと伝えた。川の上流に位置する中国が水量を調節することに対しインドは反撃措置を取れず両国間の対立が深まると予想した。


2014年11月に中国が雅魯蔵布江に最初の水力発電所を建設した時もインドの不満を買った。当時水力発電所工事で生態環境が大きく損なわれ、インドはアッサム地域の川の水位が低下することを心配したという。

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「米中戦争」勃発したら…米国は勝てない?経済に致命的打撃もus-china

 国際関係をかき回したトランプ氏に代わり大統領に就くバイデン氏への期待は高い。だが国内融和のため対中強硬姿勢は避けられず、対立が深刻化する懸念もある。



菅義偉首相は就任の9日後の9月25日、習近平中国国家主席と30分の電話会談を行い「首脳を含むハイレベルで2国間および地域、国際社会の諸問題について緊密に連携していこう」との方針で意見が一致した。一方、11月12日にはバイデン氏と15分間の電話会談で「日米同盟の強化、気候変動問題での緊密な連携」で合意した。


安倍晋三前首相はトランプ追従一本槍の親米派と見られがちだったが、06年最初に首相に就任して12日後に北京に飛び、胡錦濤主席と会談、「戦略的互恵関係」の構築で合意した。14年には習近平主席と尖閣問題で「双方が異なる見解を有していると認識する」として事実上棚上げにした。また中国の「一帯一路構想」への協力を表明し、今年には習主席を国賓として迎え、日中和解の完成を内外に示すはずだった。



菅首相も米中双方と「緊密な連携」を約束する二股外交を継承している。狡猾なようだが国際関係ではよくあることで、男女の仲とはちがうのだ。


トランプ氏は海外情勢に関する知識、経験が乏しく「アメリカ第一」を叫んで米国の国際的指導力を放棄した。元々米国が主導したTPP(環太平洋パートナーシップ協定)や地球温暖化に対処するパリ協定などから次々に離脱し、国際社会からの孤立を深めた。


さらには「NATO(北大西洋条約機構)は冷戦期の遺物」だとして在独米軍を大幅削減、日本と韓国には駐留米軍の経費負担を4倍、5倍にするよう迫るなど、まるで同盟破壊を狙うような暴挙を次々に行ってきた。



この4年、多くの国がトランプ氏の予測不能、非合理な言動に振り回されてきただけに、彼の敗退が喜ばれるのは当然だ。中国外務報道官もバイデン氏の勝利が確定した11月13日に祝意を表明した。菅首相が8日にツイッターで「心よりお祝い申し上げる」と発信しても、安倍氏がトランプ氏に尻尾を振ったような侮りを受けないですむ。


米国の右派が言うように、もし中国が米国をしのいで世界の覇権を握る野望を抱いているのなら、トランプ氏が当選し、さらに4年間米国の孤立化を推進し、同盟を崩壊させ、自国民の分断を激化することは中国にとり歓迎すべきことだろう。


だが実際にそうなれば、中国にとって最大の輸出先、投資・融資先である米国が衰亡し、世界経済は大混乱しその影響が自国にも波及することは避けられない。バイデン氏も反中的発言をしていても、安定感があるだけトランプ氏よりはまし、と見て祝意を表明したのか、とも思われる。



■戦争では勝てない米国


バイデン氏は30歳で上院議員となり政界歴は47年、外交委員長、オバマ大統領の副大統領を務めたから外国についての知識、経験は十分だ。正統的な外交ができ、自国内の分断を煽るような愚行はしないだろう。オバマ氏は中国との対立をなるべく避けていたから、バイデン氏もある程度その影響を受けているはずだ。


だが米国内では国民の反中感情が高まっている。背景には中国の経済力が近年中に米国を凌ぎそうなことへの焦りがあり、1980年代の「日本叩き」を思い起こさせる状況だ。バイデン氏が大統領として国民の団結を回復させようとするほど、中国に対して敵対的な政策を取らざるを得なくなるだろう。



最悪の道は米中戦争だ。そうなれば、日本の輸出の21%余(香港を加えれば約24%)を占める中国への輸出は停止し、日本の経済は致命的打撃を受ける。それだけでなく米軍に基地を提供している日本は当然中国の敵となるから、核弾頭付きではなくても弾道ミサイルの攻撃を受けることになる。


米海軍の戦力は圧倒的で、中国を海上封鎖することは可能としても、中国の食料自給率は100%、エネルギー自給率も石炭が豊富で約80%だから封鎖だけで中国が屈服するとは思えない。長期の地上戦になれば米国の勝算はベトナム戦争以上に乏しい。日本にとってはバイデン氏がドロ沼に入らないようにすることが第一の国益だろう。

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2021年正月、米国を最大の危機が襲う…1000万人を超えるとも言われる

 新型コロナウイルスの感染者と死亡者が世界一多い米国。医療分野だけでも多くの問題を抱えているが、コロナに関連した深刻な社会問題も浮上してきている。



その一つが、家賃を支払えない賃借人が数百万の単位で、年明け早々に住まいを追い出されかねない問題である。


投資銀行業務やコンサルティングを手がける米スタウト社がまとめた資料によると、最大で647万世帯が住まいを退去せざるを得なくなるという。


家族を考慮すると1000万人を超えるとも言われる。どういうことかご説明したい。



コロナの感染拡大により米経済が大きな打撃を受け、春から失業者が増え始めた。4月の米失業率は14.7%にまで跳ね上がった。


以後、少しずつ改善して10月には6.9%まで落ち着いてきたが、それでもコロナ前の3%台には至っていない。


失業率が高止まりすることで再就職は簡単ではなく、解雇された人たちは収入減に見舞われた。


失職したすべての人たちが失業手当を受けられるわけではない。



首都ワシントンにある経済政策研究所(EPI)の試算では、何らかの理由で失業手当を受けられない人が、夏の段階で最大1390万人にのぼったという。


仕事を失って給与が入らなくなり、貯蓄も不十分で失業手当も受けられないと、家賃の支払いが滞る。


手持ちの限られた資金はまず食費などに当てられるため、生活は困窮する。


米国ではこうした境遇から、コロナ禍で家賃を滞納する人たちが増えてきている。日本でも家賃の滞納者はいるが、米国では日本と比較すると冷酷なまでに強制的な退去が行われたりする。



それでも米政府は滞納者にまず、定められた期限内に自主的に引っ越すように促す。それでも立ち退かない場合、裁判所に強制撤去を求めて退去命令が出される。


日本では賃借人の権利が保護されているため、家賃の支払いが数カ月滞っても追い出されることはまずない。


だが日米で法の執行に対する意識の違いと、賃借人と賃貸人の立場が違うことから、米国では強制退去が執行されてしまう。


ドナルド・トランプ政権はコロナ禍という事情を考慮して、家賃滞納者に対する強制退去の執行停止を命じるなど、方策を講じてきた。


だがそれで賃借人を一時的には救済できたとても、今度は家賃が入ってこないことで家主側は減収となり、本質的な問題解決にはいたらないのだ。



それでも、家賃を支払えない人たちの救済がまず優先されるべきとの理由から、トランプ政権の保険福祉省(HHS)内の疾病予防管理センター(CDC)は9月4日、特例措置を出した。


それは今年12月末日まで、住まいからの強制退去が猶予・禁止される(立ち退きモラトリアム)というものだった。


ここで注目したいのは、同措置を発令したのがCDCという点だ。


CDCは感染症対策の総合研究所であり、医療機関である。国交省のような役所ではない。


つまり、強制退去によって住む所を失った市民たちが増えることで、コロナ感染リスクがこれまで以上に高まるということである。



強制退去させられた人たちは、現実的には親族や知人・友人のところに移るか、シェルターや福祉施設、最悪の場合はホームレスになることもあり得る。


医療関係者が憂慮するのは、強制退去させられた人たちが密集した場所で寝起きすることで、今以上にコロナウイルスの感染者・死亡者が増加することなので、CDCが分野違いとも言える措置を出したのだ。


幸い、年内は強制退去が執行されないので、支払いの滞った賃借人もいまの住居にいられるが、年明け早々、退去せざるを得なくなる人たちがでるのは間違いない。


11月末、米「ファスト・カンパニー」誌は「米600万世帯が1月1日に強制退去されるかもしれない」というタイトルの記事を出し、深刻な社会問題が待ち受けうけていると警鐘を鳴らした。



トランプ政権が1月1日以降にさらなるモラトリアムを出すことはありそうもない。いま米国では、バイデン新政権が別枠で温情を示せるかに焦点が移っている。


ただ新政権誕生は1月20日であり、年明けから20日間、バイデン政権は何もできない。その間に強制退去が施行されて、家を追われる人が出てしまう恐れがあるのだ。


強制退去を命じられた人たちを救うことはできるのか。同問題に詳しいウェイク・フォレスト大学法律大学院のエミリー・ベンファー教授はこう述べる。


「バイデン氏が退去を求められている人たちを救済することは十分に考えられます。年明けから3週間以内に滞納している賃貸者を追い出すかどうかは家主にかかっていますが、当面の解決策としては、政府が直接的な財政援助に動くかどうかです」


さらなる問題がある。


9月初旬にCDCが発令した強制退去の猶予・禁止は家賃の支払いを一時的に棚上げにしたが、それは逆に、過去から積み重なった滞納分を含めて、支払うべき金額が増えることにつながった。


強制退去の対象になっている数百万世帯の多くは低所得者層の人たちであるため、さらに支払いが難しくなる。


トランプ政権が今月中に新たな手立てを示さず、連邦議会も救済策の法案を通過できない場合、バイデン政権が誕生するまで州を含めた地方自治体が負担を背負うことになる可能性が高い。


米国勢調査局が11月初旬にまとめた報告書によると、約1160万人が来月の家賃・住宅ローンの支払いができない状況であるという数字がでている。


最初に示した647万世帯という数字は「最悪の場合」という設定ではあるが、バイデン政権が発足から荊の道を歩まざるを得ないことが明らかである。


米国の住宅事情とコロナ禍による感染状況は悪化の一途を辿ることになりそうだ。

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北朝鮮「休戦ラインに分界連線の壁を構築」tt

 コロナの感染を阻止するとの理由から、北朝鮮は南北軍事境界線(MDL)一帯に障壁を積み上げていることを明らかにした。一部越北者をコロナ感染源と見なし、流入封鎖の措置をさらに強化しているようだ。ただし北朝鮮が本当に壁を積み上げているかは確認されていない。複数の専門家は「越境の障害物を強化したか、監視・警戒態勢をさらに強化するという意味のようだ」「北朝鮮ではコロナへの恐怖心が高いことを意味している」などの見方を示した。



 北朝鮮の朝鮮中央通信は29日「国境や分界連線(休戦ライン)地域などで封鎖障壁をしっかりと構築し、労働者や勤労者、住民は制定された行動秩序を自覚して守り、ささいな非正常的現象も即時掌握し、対策を取るようにしている」と報じた。朝鮮中央通信はさらに「(国境と休戦ライン全域で)深くて高い封鎖障壁を構築している」「自衛警備システムと群衆通報システムを強化している」などとも明らかにした。北朝鮮によるこれら一連の措置は、コロナに対する統制が行われる中において、韓国のGOP(前方の観測所)を通過して越北が起こった事件を意識した対応とみられる。これら一連の対応を見ると、北朝鮮は「韓国から越北者が出た場合、コロナ防疫が破られかねない」との懸念から、監視と警戒を封鎖のレベルにまで強化したことが分かる。


 最近になって北朝鮮は海岸地域での統制や輸入物資に対する防疫も強化している。朝鮮中央通信は「海岸連線地域において、海から出入りする秩序を一層厳格に立て、海の汚物をその時々に回収し、処理している」と伝えた。これについて国家情報院は今月27日、国会情報委員会で「(北朝鮮は)常識的とは言えないコロナ防疫措置を打ち出している」と報告した。経済難にもかかわらず、中国から支援された食料を放置するとか、海を通じた感染を恐れて漁業や塩の生産まで中断しているというのだ。



 しかしこれらの対策とは関係なく、平壌の多重利用施設は盛況とも報じられている。朝鮮新報は「首都(平壌)には疲労回復施設を備えた奉仕単位が少なくないが、最近運営を始めたナルパラム(強い風)疲労回復院はとりわけ人気を集めている」と報じた。ナルパラム疲労回復院は韓国におけるサウナとよく似た施設のようだ。北朝鮮は今年10月の軍事パレードに数万人の群衆をマスクを着けさせず動員した。これについて韓国政府のある関係者は「北朝鮮は前後のつじつまが合わない防疫対策を行っている」と指摘した。

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中豪葛藤が悪化する中…豪州産石炭と船員1000人が足止

 中国は25日、輸入石炭が環境基準を満たさなかったことを明らかにした。多くのオーストラリア産石炭が中国の港で足止めされているとの報道について回答した。



外務省の趙立堅報道官が定例会見で「中国の税関はここ数年、輸入石炭の安全性と品質についてリスク監視評価を行っており、多くの輸入が環境基準を満たさなかった」と述べた。


中国は10月以降、非公式にオーストラリア産石炭の輸入を禁じている。両国関係の悪化が背景。


中国は代わりにモンゴルとロシアからの輸入を増やしている。



オーストラリア産の石炭約5億ドル(約520億円)相当を積んだ船舶50隻余りが中国の港湾沖で1カ月余り足止めされている。ブルームバーグとデータ解析会社クプラーがそれぞれ実施した海運データ分析で分かった。


クプラーによると、合計で約570万トンの石炭を積む停泊中の船には、船員1000人程度が乗り込んでおり、人道危機にもつながりかねない。こうしたばら積み船と船員は、豪州からの多くの商品や食品の輸入を止めている中国の方針の犠牲者だ。中国の通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)が豪州の第5世代(5G)移動通信ネットワーク市場への参入を2018年に禁止された後、両国関係は悪化し続けている。



ブルームバーグ・ニュースは先月、中国では発電所と製鉄所が豪州産石炭の使用をやめるよう命じられ、港湾は豪州産石炭の荷降ろしをしないよう指示されたと報じていた。


中国、オーストラリア産石炭の輸入停止-緊張さらに激化の恐れ


中国外務省国際経済局の王小竜局長は今月23日、中国が最近講じた貿易措置は公衆衛生を守るもので、世界貿易機関(WTO)の責務に沿っていると北京で述べた。


中国政府は国産石炭の価格を押し上げ、国内の鉱業会社を支援するため、石炭輸入制限を一般的な戦術として活用する。調査会社ウッドマッケンジーによると、中国の月次石炭輸入は最近、ほぼ10年ぶりの低水準に落ち込んだ。



一方、中豪葛藤が悪化する中…豪キッズチャネルの番組に中国人が激怒。



オーストラリアが4月に新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)発源地に対する国際調査を要求してから中国との関係が悪化している状況で、オーストラリアのあるキッズチャネルが中国人の食文化を嘲弄するような番組を放送したとして問題になっている。


23日、中国官営Global Times(グローバル・タイムズ)によると、中国ネットユーザーや中国系オーストラリア人はオーストラリア公営ABC放送が最近キッズチャネルで中国人が昆虫やネズミ、髪の毛などを料理に使うという点を暗示する内容の番組を放送したとして非難した。


この放送で、ある白人女優は古代の中国皇后に扮し、料理した昆虫などを食べながら「唐時代に昆虫を食べるのは日常的」と話したと伝えられた。中国SNS微博などの現地ネットユーザーは、中国人をひどく見下した人種差別的行為だとし、ABC放送に番組の削除と謝罪を要求している。


一部の中国系オーストラリア人はABC放送に中国人差別を抗議するオンライン請願に動いた。彼らは「今回の番組はオーストラリアの子どもたちに人種差別の種をまいて学校で中国人の子どもたちを苦しめる結果を招く」と非難した。これに対してABC放送は特別なコメントを出さないでいるという。


最近、中国とオーストラリアの葛藤はますます深まっている。オーストラリアは中国通信機器大手のファーウェイ(華為)がオーストラリアの5G移動通信事業に参加できないようにした。中国は5月、オーストラリアの4カ所の屠殺場で生産された牛肉の輸入を禁止し、オーストラリア産の麦に高率関税を課した。中国外交部の報道官は今月18日の定例記者会見で、日本とオーストラリアの共同訓練円滑化協定などに関連し、「中国を根拠なく非難し、中国の内政に極度に干渉する日本とオーストラリア指導者の会談以降、声明発表を強く拒否して慨嘆する」と述べた。

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「脱中国」を急ぐインドの戦略、“インドの夢”を日米豪がサポートindia

 ● “脱中国”を急ぐインドの戦略


インドにはインドなりの戦略があった。もともとインドには「メーク・イン・インディア」というスローガンに代表される独自の戦略がある。インドは、いずれ中国に取って代わるインド中心のグローバルなサプライチェーンの確立を構想しており、ここ数年、日本、米国、豪州そして台湾を巻き込んで、“脱中国”の産業構造の確立を推し進めてきた。



“脱中国”の布石は、コロナ禍でも打たれてきた。今年4月、インドは外資による投資規制のハードルを上げ、中国企業のインド市場の参入を阻止しようとした。インドでは中国製スマートフォンの市場席巻はすさまじく、また中国企業によるハイテク分野のインド企業買収も進んでいたからだ。


また、モディ政権は5月に、コロナ禍にある国難を救済するための新たな政策「Atmanirbhar Bharat Abhiyaan(自立したインド)」を打ち出した。これには、「インドをグローバル経済における重要な部分にする」という意味が込められている。インドの独立記念日にあたる8月15日、モディ首相は「現在、世界中の多くの企業が、インドをサプライチェーンのハブとみなしている。私たちは、世界のためのものづくりを進めていかなければならない」と呼びかけた。



インド政府のホームページには「インドの自立(self-reliant)は自己中心的(self-centred)なシステムを支持しない、そこには全世界の幸福、協力、平和への関心がある」と、あたかも中国にあてつけるかのような一文もあり、インドの中国への強い対抗意識が見て取れる。


こうしたかたくななインドに対し、中国は「RCEPを離脱したインドは、グローバル化のプロセスに統合する機会を失った」と冷ややかだ。中国は積極的なグローバル化のもと、外国資本と技術を導入するという改革開放政策を採ってきたが、「インドにはそれができない」と批判する中国の研究者や評論家も少なくない。


● “インドの夢”を日米豪がサポート



一方で、中国が警戒する動きがある。日本とインド、豪州が中国の支配力に対抗するため、より強力なサプライチェーンの構築を模索していることだ。


9月1日、日本の梶山弘志経済産業相、豪州のサイモン・バーミンガム貿易・観光・投資相、インドのピユシュ・ゴヤル商工相が参加するオンライン会議が行われ、「サプライチェーン強靱性に係る日豪印経済閣僚共同声明」が発表された。


この会議において3閣僚は、新型コロナ危機と最近の世界規模での経済的・技術的な変化を踏まえ、インド太平洋地域においてサプライチェーンを強靱化する必要性とポテンシャルを強調し、地域的協力における緊急的必要性と、協力を通じて新たなイニシアチブの立ち上げに取り組む意思を共有した。



日本、インド、豪州といえば、米国を加えたインド太平洋の安全保障メカニズム「日米豪印4カ国戦略対話」の参加国である。この“4カ国メカニズム”は政治、外交、安全保障のみならず、インド太平洋地域における経済協力や貿易、さらにはサプライチェーンの構築にまで影響をもたらしているようだ。


インド太平洋地域におけるイニシアチブについて、インド紙「ヒンドゥスタン・タイムズ」は、「この動きは、地域全体における中国の積極的な行動が引き起こした緊張を背景にしたもので、製造と供給に大混乱をもたらしたコロナ危機の中で、日本によって議題に挙げられた」と伝えているが、むしろインドにとって日・豪は、インド中心のグローバルな製造・供給網を築きたいとする“インドの夢”の戦略的なパートナーとも捉えられる。



中国は、インド抜きのRCEPを歓迎する一方、インド太平洋地域に出現しようとする、この“インドの夢”と第2の「世界の工場」の動きを注視している。

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中国軍、大連に飛行船基地…ミサイル探知、日本対象か…「Osimiニュース」

 中国人民解放軍が、巡航ミサイルなどを早期探知する警戒システムとして新たに飛行船基地を遼寧省大連の基地に建設したことが分かった。中国軍事問題研究家の田中三郎氏が27日までに明らかにした。ヘリウムガスで浮揚する無人飛行船を活用した早期警戒システムは世界初の可能性がある。低空域から進入する兵器の探知に力を発揮、朝鮮半島や日本の米軍基地が偵察範囲とみられる。



田中氏が分析した2019年10月の衛星画像によると、飛行船基地は北朝鮮との国境に比較的近い大連市登沙河にあり、全長50メートル程度の飛行船や駐機施設、2千メートル級滑走路などが確認された。


一方、習近平、人民解放軍に戦勝を指示「死も恐れるな」。


中国の習近平国家主席は11月25日、自らが主席を務める中央軍事委員会の訓練会議で兵士たちの訓練強化を指示。戦争に勝利するために、死も恐れてはならないと述べた。国営メディアの新華社通信によれば、習は軍の幹部と兵士らに対して、「実戦と同じ条件で」戦争に備えるよう命じた。



北京にある京西賓館で行った演説の中で習は、人民解放軍は「新たな時代」に突入すると述べ、訓練を強化して作戦能力を向上させるよう指示。さまざまな技術を統合し、軍のあらゆるレベルの要員が科学技術に関する知識を持つことが重要だと強調した。


習は、中国の国家安全保障をめぐる状況が変化し、軍の近代化が推し進められ、また従来と異なる戦闘形態が台頭しつつあるなか、軍は「改革の新たな段階」に突入していると説明。人民解放軍を「世界一流の軍隊」にすることが、共産党の長年の目標だと強調した。



200万人の現役兵と50万人の予備役を擁する中国軍は現在、複数の前線で軍事演習を展開し、また他国軍との睨み合いを続けている。空軍の偵察機や戦闘機が、自治を維持する台湾の上空を飛行し、海軍の艦船が南シナ海を航行している。


<2050年までに「世界一流の軍隊」に>


11月には、中国海軍が台湾海峡で2度にわたって大規模な軍事演習を実施。中国政府は台湾の現自治政府を「分離独立主義」と見なしており、国営メディアは、実弾発射を伴う一連の上陸訓練は、中国政府から台湾自治政府に対する直接的な「強いメッセージ」だとしている。



また中国南西部の国境地帯では、中国軍とインド軍の睨み合いが8カ月近くにわたって続いている。夏には両国が領有権を主張する(インド北部の)ラダック地方の実効支配線沿いで軍事衝突が発生し、インド軍の兵士20人が死亡。中国軍の兵士も複数(正確な人数は不明)死亡したと報じられている。


インド政府と中国政府は、ヒマラヤ山脈にある同地方での緊張緩和を目指し、第9回軍高官級会談に向け準備を進めているが、どちらの側にも撤退の兆候はない。


米シンクタンクのランド研究所は、人民解放軍に関する2020年度の報告書の中で、中国軍は空、海と情報の分野で優位性の確保を目指していると指摘した。実際に中国軍は、軍事戦略や作戦実行ガイドラインにビッグデータや人工知能(AI)を導入することを積極的に検討している。



「習近平と参謀たちは、2035年までに軍の『近代化を達成』するという目標のさらに先を見据え、軍事理論や軍事構想を発展させて2050年までに『世界一流の軍隊』をつくることを目指している」と報告書は指摘した。


<トランプの最後の対抗措置>


ドナルド・トランプ米大統領は11月半ばに、米国防総省が「中国軍の支配下にある」と指摘する中国企業31社への投資を禁じる大統領令に署名した。通信機器大手の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)や航空機製造大手の中国航空工業集団を対象に含むこの禁止令は、2021年1月11日に発効する。



またロイター通信によれば、トランプは中国への(任期中最後となるかもしれない)対抗措置として、中国企業89社について、米国の製品や技術の購入を禁止することを検討しているということだ。

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ベネズエラ、中国への原油の直接出荷再開…「Osimiニュース」

 ベネズエラが米制裁を受けて停止していた中国への原油の直接出荷を再開したことが、リフィニティブのEikonデータやベネズエラ国営石油会社(PDVSA)の内部文書で分かった。



PDVSAの長年の主要顧客である中国国有の中国石油天然ガス集団(CNPC)と中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)は、米国がPDVSAへの制裁を強化し、同社と取引する企業を対象に含めたことを受け、2019年8月にベネズエラの港での原油や燃料の積み込みを停止した。


トランプ米政権は、ベネズエラのマドゥロ大統領の失脚を目指し、同国の石油部門に対する制裁を強化してきた。しかし、同国の石油輸出を完全に停止し、マドゥロ大統領の権力を弱めるには至っていない。



PDVSAの顧客はマレーシアへの出荷を増やし、海上で貨物を積み替えることで、制裁を潜り抜けており、ベネズエラ産原油の大半は中国に出荷され続けてきた。


PDVSA、CNPC、ペトロチャイナ、ベネズエラ石油省はコメント要請に応じていない。


米財務省の報道官は25日、「ベネズエラ石油部門での活動に関与する者は制裁を受ける可能性がある」と警告した。



出荷追跡サービス会社タンカートラッカーズ・ドット・コムによると、ベネズエラ産原油の中国への直接出荷を再開した最初のタンカーは「Kyoto」で、8月下旬にベネズエラの港で180万バレルの重質原油を積み込んだ。


また、PDVSAの出荷関連文書やリフィニティブのEikonデータでも、少なくとももう1隻のタンカー「Warrior King」が中国の港でベネズエラ産原油の積み降ろしを行っていることや、ペトロチャイナ所有の船舶2隻が今月、ベネズエラで原油を積み込んだことが示されている。



PDVSAの内部文書によると、Kyotoは「Wanneng Munay」と呼ばれる企業がチャーター。リフィニティブのEikonデータによると、アジアに向かう大部分のルートで、位置情報を知らせるのに使われる装置であるトランスポンダーを切ったまま航行し、11月初めに中国・大連の石油ターミナルで荷降ろしを行った。


過去に石油取引の経験がないロシア籍企業十数社が、ここ数カ月の間にPDVSAの顧客として浮上しており、Wanneng Munayはそのうちの1社だ。


同社からのコメントは得られていない。

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世界の3割近く…もっとも多くの二酸化炭素を出しているのは中国

 温暖化に深く関連する問題として注目されている二酸化炭素の排出量。その実情を国際エネルギー機関IEA(The International Energy Agency)の最新公開資料を基に確認する。



まずは世界全体の二酸化炭素排出量における、各国の比率。前回年2017年分では中国・アメリカ合衆国の順だったが、2018年分でもそれに変わりはない。


注目すべき動きとしては、上位国、特に新興国で増加を示していること。経済の活況化に伴い消費・生産が活発となれば、当然排出量も増加する。



中でも中国の多さが目に留まる。中国だけで世界の3割近い二酸化炭素を排出している計算になる。また絶対量は中国と比べれば少ないものの、インドの伸び方の著しさが注目に値する。他方アメリカ合衆国では経済復興の中でもむしろ減少しており(直近年では増加したが)、炭酸ガス排出対策が進んでいることがうかがえる。


日本ではグラフの対象期間より前の2011年以降においては、一時期増加の動きにあった。これは単なる経済復興だけでなく、震災起因による発電様式の変更を余儀なくされたことによるのも否定できない。ただし2014年以降は継続して減少しており、他国同様効率化が進んでいる動きが見受けられる。


比率の変化や国民一人あたりで



主な上位国について、前世紀末の2000年以降の、各年における全体比の動向を示したのが次のグラフ。中国、アメリカ合衆国など上位国の相対的な位置関係の変化が見て取れる。


上位2国(中国・アメリカ合衆国)の合計による全体比では大きな変化は無い一方、2006年に米中間で順位が入れ替わり、その後も両国の差異は広がるばかりとなっている。また2009年以降は第3位の位置についたインドもシェアを拡大する一方。直近2018年では上位3か国で全体の半分、50.0%にまで達している。


最後に示すのは、各国の排出量を単純にそれぞれの国の人口で除算して、一人あたりの排出量を算出したグラフ。国単位の排出量の直近年における上位国のみで確認している。



各国の国内事情、都市集中の度合い、工業化・公害対策技術の違いなど多様な要因があり、単純に「国民一人あたりの量」だけで各国の二酸化炭素排出量について判断することは難しい。例えばこのグラフでは、中国の値はアメリカ合衆国の半分足らずでしかないが、上のグラフにあるように「国単位での総量」では中国ははるかにアメリカ合衆国を上回る値を占めている。


国単位で「中国」の二酸化炭素排出量が世界最大である事実に違いはなく、たとえ一人頭の排出量が他国より少なくとも、「国単位として」課せられた責任は大きい。そもそも「国」とはその領域内におけるさまざまな要素の集合体であり、内包するものを統括する存在なのだから。



具体的には「CO2 Emissions from Fuel Combustion」。現時点では2020年発行分で、2018年時点のデータが最新。今件値は燃料消費行動に伴う排出量であり、人間などの生物による生体活動に伴い排出される量は勘案されていない。

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台湾の学者が中国でスパイ罪に問われ懲役4年の実刑判決

 中国との学術交流などにかかわっていた台湾の著名な学者に対し、中国の裁判所がスパイ罪で有罪とし懲役4年の実刑判決を下した。中国は台湾に対し強硬な姿勢を強めている。


有罪判決を受けたのは、台湾師範大学の元教授、施正屏。中国で台湾関係を扱う台湾事務弁公室の報道官によれば、安徽省鞍山市の裁判所が24日、施に対しスパイ罪で有罪とする一審判決を下し、懲役4年、政治的権利剥奪2年、2万元(約32万円)の個人財産の没収を言い渡したという。



施は、学術交流などのため、中国を度々訪れていたが、2018年8月に「行方不明」となった。その後、「国家の安全を脅かす活動に関わっていた」として、中国当局は、関係部門が施を取り調べていると認めていた。


その施は、先月、突然、台湾の「スパイ」の手口を報じた中国国営テレビの中に登場し、インタビューの中で、罪を「自白」した。


「私は間違っていました。私の教訓を生かし、法に触れる可能性のある台湾の人たちに警鐘を鳴らし、戒めとしてもらいたい。同様の間違いを二度と犯さないように」


施はインタビューの中で、中国で得た情報を流し、見返りとして台湾の情報機関から報酬を得ていたことを認めている。しかし、その番組自体も認めているように、施の流した情報は概ね公開情報だったという。



政治犯などにテレビで罪を認めさせ、その姿を大衆に晒すのは中国の常套手段である。そうした場合には、罪を成立させるのに十分な根拠がなく、テレビでの「謝罪」や「自白」を引き換えに、「容疑者」を釈放するという例もある。しかし、今回は、施に有罪判決が下された。ただ、台湾事務弁公室の報道官は、施には「各方面での訴訟の権利が十分に保障されている」と述べており、一審での有罪判決は、現時点で台湾に「脅し」を加えるための判断という可能性もある。


中国は、関係がこじれたアメリカが見せる台湾へ歩み寄り、新型コロナウイルスをめぐって国際社会での自国の心証の悪化と反比例するように台湾が存在感を示している現状において、とにかく台湾統一へ向けた障害になるような要素を徹底的に潰したいようだ。中国への服従を嫌う現在の台湾の民進党政権に対し、これからも脅しとネガティブキャンペーンを繰り返すはずだ。

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世界を飲み込む中国経済、10日間で8兆円稼いだアリババ 

 中国で11月11日は「一」の文字が並ぶことから「独身の日」とされる。ネット通販大手・アリババグループは、浙江省の特設会場でこの日を祝う盛大なイベントを開催。アリババが2009年から続けるこの大々的なバーゲンセールで、今年、スクリーンに刻まれたのは“4982”という数字だった。これは、1日に始まった先行セールから「独身の日」当日までの売り上げが合計で4982億元(約7兆9千億円)に達したことを意味する。



日本の百貨店の年間売上高である5兆7547億円を大きく上回るどころか、10兆円規模とされるコンビニ市場に迫る勢いだ。およそ8兆円ものカネを、アリババはわずか10日余りで荒稼ぎしたことになる。


経済評論家の山崎元氏も驚きを隠せない。


「日本の高度経済成長期のように急激な発展が、14億人という規模で沸き起こっている。その迫力に圧倒されます。中国は我々の想像を超えるスピードとスケールで世界経済への影響を強めている。その意味で、独身の日におけるアリババの取引額は象徴的です」



新大統領を決めることすらままならないアメリカを尻目に、もうひとつの超大国・中国は虎視眈々と世界覇権に狙いを定めてきた。ここ最近も、鬼の居ぬ間にとばかり中国は周辺国への挑発を強めている。


産経新聞の矢板明夫・台北支局長によると、


「米国が大統領選で身動きの取れないタイミングを狙って、中国は台湾に圧力をかけ続けています。10月末には4日連続で中国軍の戦闘機が防空識別圏に侵入し、台湾海峡周辺での軍事演習も繰り返している。10月10日には国営放送CCTVに、中国国内で摘発された“台湾人スパイ”を囚人服姿で登場させました。ただ、逮捕者はシンポジウムや論文作成のために情報収集を行っていた学者など、工作員とは思えない人物ばかり。背景にあるのは、トランプ大統領と結びつきの強い蔡英文政権の存在です。台湾への圧力は、米台の接近に対する中国側の報復と捉えられています」



こうした高圧的な側面に加え、中国を増長させる原因となっているのは、飛躍的な経済発展である。


「中国はいま、アメリカに代わって世界の覇権を握ろうとしています。それも、かつてのアメリカを彷彿させる“王道路線”を歩んでいるのです」


シグマ・キャピタルのチーフエコノミスト、田代秀敏氏はそう指摘する。


「第2次大戦後、アメリカはソ連と対峙するため、自国の巨大な市場を開放して、それまで敵国だった日本やドイツなどの国々から大量の工業製品を輸入し始めました。ソニーやホンダの急成長を後押しし、日本の戦後復興を支えたのはアメリカ市場に他なりません。そのせいで、日本をはじめとする各国は“お得意様”であるアメリカの意向に逆らえなくなったわけです。一方、アメリカに比肩する高度な科学技術を有していたソ連は、西側の巨大市場に参入できず、徐々に国力を落として世界的な求心力を失っていきました」(同)



中国はまさに“宿敵”と同じやり方で世界を屈服させようとしているのだ。


実際、中国は「世界の工場」だけに留まらず、「世界の市場」となりつつある。


「アリババのセールでは、資生堂や花王といったメーカーの商品が売れ行きの上位に名を連ねました。海外ブランドの取引高ランキングでも日本が首位に輝いています」(田代氏)



14億総中流


日本の主力輸出商品である自動車市場も、もはや中国抜きには語れない。



経済部記者によれば、


「昨年の中国での自動車販売台数は2577万台で世界1位でした。2位のアメリカ、3位の日本は、それぞれ1748万台と520万台。つまり、日米が束になっても中国には敵わない。トヨタの好調を支えるのも中国市場で、10月の新車販売台数は前年同月比33%増を記録しています」


コロナ禍でも衰えを知らない購買力は、今後、ますます底上げされそうだ。


「実は、創立100周年を来年に控える中国共産党は、今年中に“小康社会(ややゆとりある社会)”の全面的完成を目指してきました。日本人にとっては懐かしい響きのある“総中流社会”が到来するわけです。とはいえ、わが国が“1億総中流”だったのに対し、あちらは“14億総中流”。ネットの普及で個人が世界中と繋がったいま、その影響力は日本の14倍どころでは済まないでしょう」(同)



確かに、一昔前まで主な移動手段が自転車だった中国で、皆が車を買うようになれば……。


中国マネーに呑み込まれそうなのは何も日本だけではない。バイデン政権が樹立されれば、中国はアメリカへの攻勢も強めそうだ。


アメリカ政治に詳しい、福井県立大学の島田洋一教授によれば、



「バイデン氏は地球温暖化を“人類存続への脅威”と主張して、その対策を最重要課題のひとつに掲げています。そのため、トランプ政権が決めた“パリ協定”からの離脱を批判し続けてきました。当然ながら、バイデン政権は、世界最大のCO2排出国である中国に協議を持ち掛ける必要がある。ただし、習政権は交渉のテーブルにつく見返りにさまざまな条件を提示してくるでしょう」


その条件のなかには、米台で合意した台湾への武器輸出の禁止だけでなく、ファーウェイなどに対する禁輸措置の解除や、中国製品への懲罰関税の撤廃も含まれる。しかも、大統領選前の9月22日、習近平氏は2060年までにCO2排出量を実質ゼロにする方針を表明。バイデン氏に秋波を送った格好だ。両者の交渉が、中国経済にとって更なる追い風となるのは間違いない。


経済評論家の藤巻健史氏はこう分析する。



「トランプ大統領の振る舞いや言動はたびたび批判を浴びてきましたが、彼の本質は政治家ではなく“ビジネスマン”です。アメリカを代表する不動産王としてビジネスの世界で生きてきたがゆえに、経済で後れを取ることがどれほど脅威であるかを理解している。対中強硬姿勢を貫いてきたのも、アメリカが中国に追い抜かれることに危機感を覚えたからでしょう。その点、“政治家”であるバイデン氏が大統領になれば、直近の利益のために中国と経済的な協力関係を築こうとするはず。たとえ政治的なリスクは高くても、それを補って余りあるリターンが見込める。いかにアメリカといえど、中国の経済力を無視することはできません」


巨大なマーケットを背景に覇権を狙う習近平政権。世界が中国にひれ伏す前に、この野望を阻止できる選択肢はあまりにも少ない。

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